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土と火TSUCHI TO HI / GIFU

KOHIKI / CUP

粉引のカップ

粉引のカップ/径八センチ、高さ九センチ

粉引のカップは、工房で最も多くつくる器のひとつです。白い化粧土を何度も重ねた、少し厚みのある胴。手に包むと、指の腹に白い肌が吸いつくような感覚があります。縁のところどころに土の色が透けて、使うほどに飴色へ変わっていきます。

コーヒーにも、番茶にも、少しだけ入れた味噌汁にも。特別な飲み物のためではなく、毎日手に取るための形を目指しました。

土と釉

地元で採れた陶土を、荒く練って砂気を少し残します。粉引の白化粧は、その上に水で溶いた白土を三度重ねてかけるため、厚みが均一になりません。指先で確かめながら、一枚ずつ化粧をしていきます。釉薬は透明なものだけ。白化粧の表情を隠さないように、薄くかけています。

カップの内側は、口から指二本分ほど下まで釉がかかります。飲み口にあたる部分は化粧土のままなので、唇に土のやわらかさが伝わります。

焼成

窯は薪窯で、最高温度は千二百三十度。還元焼成といって、窯の中の酸素を少なくして焼きます。同じ棚に並べても、窯の手前と奥では火の当たり方が違い、白の色味が少しずつ変わります。窯の縁に近いものは、灰が降りて薄い飴色の斑点が出ることもあります。これは意図した柄ではなく、火の記録です。

使い方

ふだんは、食後すぐにぬるま湯で洗い、布巾で水気を拭いてから乾かしてください。食器洗い乾燥機は、高温の乾燥で白化粧が傷むことがあるため、おすすめしていません。電子レンジでの温めは可能です。冷えたカップを急に加熱せず、常温に戻してから短時間ずつ温めてください。

使い込むうちに、白い表面に細かな線のような貫入が入り、そこにコーヒーやお茶の色が入ります。それは傷ではなく、粉引が育つ過程です。気になる場合は、重曹を溶いた水でやさしく洗ってください。

寸法
口径 8.0 cm/高さ 9.0 cm/容量 約 220 ml
土
地元産の陶土、白化粧土
釉
透明釉(内側のみ、口から二センチ下まで)
焼成
薪窯・還元焼成、約 1,230℃
重さ
約 240 g